四柱推命はおよそ二千年前に中国で確立された占い体系です。西洋占星術・インド占星術と並び、最も認知度の高い占いの一つと言えるでしょう。
生年月日と生まれ時間を基に十干十二支(じっかんじゅうにし=干支)を導き出し、年・月・日・時の4つの柱を作成して運命を鑑定します。
四柱推命は陰陽五行説という思想哲学から生まれた占いで、陰(-)と陽(+)、五行(木・火・土・金・水)のバランスから吉凶を判定します。占いマニアであっても、個人が一流の鑑定士のように四柱推命の命式を読み解くのはなかなか難しいようです。
万物は「木・火・土・金・水」の5つのエレメント(元素)で構成されているという考え方が「五行説」です。
5つの元素はそれぞれ「相生(そうしょう)=生み出す・援ける」関係と「相剋(そうこく)=止める・弱める」関係を持ちます。相生では「木は火の燃料となり、火は土を肥沃にし、土は石材や金属を生み出し、金は水を掘り当て、水は木を育てる」という関係、相剋では「木は土の養分を吸収し、火は金属を溶解し、土は水の流れを止め、金は木を切断し、水は火を消す」という関係になります。
相生は良好な関係ですが、過剰になると返って悪く作用する場合もあります。例えば、水が多過ぎて植物が根腐れしたり、火が強過ぎて土が硬化した不毛な塊になったりします。また、相剋は試練を与える厳しい関係ですが、バランス次第では返って良好に作用する場合があります。金は火の試練を受けて柔軟になり、自分を変化させることができますし、土は木に古い養分を吸い取らせることでリフレッシュできます。人生に自己改革や回復が必要になった時には相剋の元素が力になるわけです。
宇宙に在るものははすべて相対する2極に分かれるという思想が「陰陽説」です。「女⇔男」「偶数⇔奇数」「低⇔高」「小⇔大」「暗⇔明」というような関係ですね。
「陽」はプラス要素を示し、「陰」はマイナス要素を示します。
四柱推命の命式を知るには、60通りある十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の組み合わせを調べる必要があります。これは通常「干支(えと)と呼ばれるもので、完全には知らなくても「今年の干支は甲子(きのえね)」とか「丙午(ひのえうま)」とか耳にしたことがあると思います。
四柱推命では、この組み合わせを「天干 地支(てんかん ちし)」と呼び、年・月・日・時それぞれに一組ずつが割り振られています。
自分の生年月日時から「天干地支」を調べるには専用の「暦(こよみ)」を使いますが、面倒なので、「四柱推命」でググって無料の命式作成サイトを利用されることをお勧めします。
「干(天干=十干)」は2つずつが五行に分類され、1つが陽、もう1つが陰です。
| 木 | 火 | 土 | 金 | 水 | |||||
| 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 | 陽 | 陰 |
| 甲 きのえ |
乙 きのと |
丙 ひのえ |
丁 ひのと |
戊 つちのえ |
己 つちのと |
庚 かのえ |
辛 かのと |
壬 みずのえ |
癸 みずのと |
四柱推命の命式で分かりにくいのが「蔵干」です。
これは、それぞれの地支=十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)には幾つかの天干が隠されているという考え方で、年月日時の天干地支と並べて隠れた干を命式に揃えます。
四柱推命には様々な流派があり、蔵干を命式に入れない鑑定士もいるようですし、逆に重要視する鑑定士もいるようです。
蔵干の調べ方は複雑ですが、これも無料の四柱推命サイトを利用すれば、すぐに分かります。
四柱の「天干地支」「蔵干」が揃ったら、生まれ日の天干にとって他の天干・蔵干がどのような作用をするのかを調べます。これを「通変星(つうへんせい)」といいます。
「通変星」は「比肩(ひけん)・劫財(ごうざい)・食神(しょくじん)・傷官(しょうかん)・偏財(へんざい)・正財(せいざい)・偏官(へんかん)・正官(せいかん)・偏印(へんいん)・印綬(いんじゅ)」の10種類あり、性格・才能・適職など自分自身の基本を占う要素になります。
通変星の調べ方は比較的簡単で、生まれ日の天干と同じ「干」を「比肩(ひけん)」とし、そのまま順番に「劫財➔食神➔傷官➔・・・」 と割り振っていきます。
流派によって、月柱の蔵干の通変星を中心星とする場合と、一番多い通変星を中心星とする場合があるようです。
生まれ日の天干にとって、各地支がどのような運気に巡っているかをを調べます。これを「十二運(じゅうにうん) 」といいます。
「十二運」は「胎・養・長生・沐浴・冠帯・建禄・帝旺・衰・病・死・墓・絶」の12種類あり、人生の栄枯盛衰や万物が辿る必然的な流れを示しています。生命が宿り、育ち、誕生し、成長し、一家を築き、最盛期を迎え、やがて衰え、病を得て最期を迎え、墓に入り、土に帰る・・・。
十二運自体は筋道の立った哲学だと思いますが、命式にどのようなメカニズムで組み込まれるのか、正直よく分かりません。「帝旺」が命式にあるから運が良い、「死」があるから悪い、ということは無さそうです。勢いの「ある」「無し」と関連するのかと思って少し調べたところでも「なるほど!」と思える命式はありませんでした。通変星との相性で鑑定するのかもしれませんね。
命式よりも、自分の生まれ日の天干にとって今年がどの十二運に当たるか、という占い方の方が面白いと思います。特に、「絶」に当たる年は凶意が強まる傾向があると思いました。
生まれ日の天干の強さで分ける「身旺(みおう)身弱(みじゃく)」または「外格(がいかく)内格(ないかく)」という占い方があります。
これも流派によって呼び方、割り出し方、重要度が違っています。運の良し悪しというよりは、個性の強弱や器の大きさを判定するようです。
「身旺」「外格」は五行のバランスが極端に偏った命式で、盛運を迎えると周囲をなぎ倒すような勢いを持ちますが、運気が陰ると大きく失墜する可能性があるようです。乱世に向く命式ということでしょうか。多くの命式は「身弱」「内格」に分類されます。
人生の切り替わりを10年として、10年ごとの運気の波や転機を占うのが「大運」です。
3×3の正方形のマス目を書き、小さい一辺を10年とし、30年ごとに更に大きな切り替わりがあります。誰もが10歳で大運が始まるわけではなく、「0歳~5歳」「5歳~15歳」「15歳~25歳」・・・というように進む大運もあれば、「0歳~9歳」「9歳~19歳」「19歳~29歳」・・・というように進む大運もあります。
この大運の始まる年齢は生年月日から複雑な計算で出します。個人で調べるのは無理があるので、やはり、命式の作成サイトを利用するのが早道です。
大運の運勢は大運の開始年までを生まれ月の天干地支として、後は60通りある干支の順番に進みます。ユニークなのは、天干の陰陽によって男性と女性の進み方が順行になったり逆行になったりすることです。なぜ男と女で逆になるのか不思議ですが、論理的な説明は見つかりませんでした。
大運の始まる年齢と順行・逆行の別、生まれ月の天干地支から10年ごとの天干地支を割り出したら、生まれた日の天干を元に通変星を調べます。大運ごとの通変星が人生に及ぼす作用は命式における通変星の作用と同じです。バランスや相性によって吉凶を判定することになります。
大運の変わり目の年に明らかな転機が訪れるというよりは、運気の波長が変化する、自分を取り巻く人間関係や環境が変わる、興味や目標が変わる、といったイメージで理解しておくのがいいようです。
西洋の代表的な占い「西洋占星術」と東洋の「四柱推命」には共通点があるでしょうか?
生まれた瞬間の星の配置を示したホロスコープと4本の柱を表で示した命式は、一見したところ全く似ていませんが、以下のように、共通するところもあります。
一方で、ホロスコープと四柱推命には大きく違う点があります。
さて、四柱推命が全く当たらない!という人もいます。性格も相性も全然違う鑑定結果が出るのは四柱推命に限らず、占い全般でよくあることです。この原因と対処法を少し書いてみます。
四柱推命は古代中国の王侯や武将を占うために発展したと推測できます。特定の個人や事象を占う場合は、わずかな誤差まで考慮した細密なデータを正確に分析できます。しかし、現代に伝わる四柱推命の文献は、膨大な数の命式に対応するために限界まで標準化されており、細かい不一致や誤差は無視されているでしょう。「全然当たらない」人が出るのは当然と言えます。
その点を踏まえた上で、命式を前後にずらして占ってみるのも一つの手です。時柱を午の刻から巳の刻に変えて占ってみるとか、生まれ日の天干を乙から甲に変えてみるとかいうことですね。掟破りの雑な対処法ですが、意外とピタッとはまるかもしれませんよ。